たどし認定こども園かぜっこは、児童福祉法、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)、児童憲章などを踏まえ、入所するすべての子どもの福祉を積極的に増進するため、次の教育・保育課程を定めます。
保育の環境には、保育者等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがあります。
こども園は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連しあい、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育を行っていきます。
1.子ども自らが関わる環境
子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮する。
2.安全で保健的な環境
子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育園の設備や環境を整え、園の保健的環境や安全の確保などに努める。
3.温かな雰囲気といきいきとした活動の場
保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、いきいきと活動できる場となるように配慮する。
4.人との関わりを育む場
子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整える。
子どもの発達は、環境との相互作用を通して、豊かな心情・意欲・態度を身につけ、新たな能力を獲得していく過程であるといえます。特に人との関わりを深める中で、人への信頼感と自己の主体性を形成していきます。
子どもの発達過程は、次の区分に分かれます。しかし、この発達区分は同年齢の子どもの均一的な基準ではありません。一人一人の子どもの発達過程としてとらえていくものとします。
発達区分 |
発達の主な特徴 |
おおむね6か月未満 |
・著しい発達 ・特定の大人との情緒的な絆 |
おおむね6か月~ 1歳3か月未満 |
・運動発達(座るから歩く) ・活発な探索活動 ・愛着と人見知り ・言葉の芽生え・離乳の開始 |
おおむね1歳3か月~2歳未満 |
・行動範囲の拡大 ・象徴機能と言葉の習得 ・周囲の人への興味・関心 |
おおむね2歳 (はとぐみ) |
・基本的な運動機能 ・言葉を使うことの喜び ・自己主張 |
おおむね3歳 (たいよう年少) |
・運動機能の高まり ・基本的生活習慣の形成 ・言葉の発達 ・友達との関わり ・ごっこ遊びと社会性の発達 |
おおむね4歳 (たいよう年中) |
・全身のバランス ・身近な環境への関わり ・想像力の広がり ・葛藤の経験 ・自己主張と他者の受容 |
おおむね5歳 (たいよう年長) |
・基本的生活習慣の確立 ・運動機能の高まり ・目的のある集団行動 ・思考力の芽生え ・仲間の中の人としての自覚 |
おおむね6歳 (たいよう卒園期) |
・巧みな全身運動 ・自主と協調の態度 ・思考力と自立心の高まり |
保育者は、子どもの発達の特性や発達過程を十分に理解し、発達及び生活の連続性に配慮して保育するとともに、子どもと生活や遊びを共にする中で、一人一人の子どもの心身の状態を把握しながら、その発達の援助を行います。
保育の内容は「ねらい」及び「内容」で構成されます。
「ねらい」は、子どもがこども園において、安定した生活を送り、充実した活動ができるように、保育者等が行わなければならないこと及び子どもが身に付けることが望まれる心情、意欲、態度があります。
「内容」は、「ねらい」を達成するため、子どもの生活やその状況に応じて保育者等が適切に行う内容と、保育者等が援助して子どもが環境に関わって経験する内容とに区別します。さらに、このねらい及び内容は、「養護」と「教育」とに区別されますが、実際に保育者等が行う保育は、養護と教育が一体となって展開されるようにします。
※養護・・・子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わり。
1.保育計画の作成
本保育課程に基づき、保育目標や保育方針を具体化する実践計画として「保育計画」を作成し、保護者の合意をもって推進していきます。
また、計画の作成上、発達過程に応じた保育、長時間にわたる保育、障害のある子どもの保育、小学校との連携、家庭及び地域社会との連携について、特に留意することとします。
2.保育士等の自己評価
保育は、計画、実践、省察、評価という循環により改善され、質の向上が図られます。このことから、園では保育士等の自己評価と園の自己評価を行い、次の保育に向けて改善を図り、保育の質を向上させていきます。また、自己評価内容等は保護者や地域住民と共有できるよう努めます。
こども園において、一人一人の子どもの健康の保持及び増進並びに安全の確保とともに、子ども集団全体の健康及び安全の確保に努めます。
こども園への登園時、保育中を通して、子どもの健康状態や発育・発達状態を常に把握するとともに、疾病や傷害等が疑われる場合は速やかに保護者へ連絡することとします。
また、不適切な養育の兆候や虐待が疑われる場合などは、市や児童相談所等を含めた関係機関との十分な連携を図り、一人一人の子どもの健康の保持及び増進に努めていきます。
園内の温度、湿度、換気、採光、音などの環境を常に適切な状態に保持するとともに、施設内外の衛生管理及び保健的環境の維持及び向上に努めます。
保育中の事故防止のため、こども園内外の安全点検を定期的に行うとともに、万が一の事故の際の職員対応や関係機関との連携体制を確立し、在園児童の安全管理に努めることとします。
子どもが豊かな人間性を育み、生きる力を身に付けていくために、また、子どもの健康支援のために「食」はたいへん重要です。また、子どもの食生活を中心とした生活環境の変化を踏まえ、乳幼児期における望ましい食習慣の定着及び食を通じた人間性の形成・家族関係づくりによる心身の健全育成を図るため、食に関する取組みを積極的に推進していきます。
「食を営む力」は生涯にわたって育成されるものであり、その基礎として小学校就学前までにその育成が期待される姿を食育の目標<めざす子ども像>としました。
食育の目標
・お腹がすくリズムのもてる子
・食べたいもの、好きなものが増える子
・一緒に食べたい人がいる子
・食事づくり、準備にかかわる子
・食べ物を話題にする子
在園しているすべての子どもの年齢やクラス、また、発達段階に応じて、食育実践の基本的な方向性を示すため、食育計画を作成します。
① ねらいと子どもの姿(内容)
食育計画では、食育の目標<めざす子ども像>に向けて、乳幼児期に身につけることが望まれる心情、意欲、態度を「ねらい」として示し、このねらいを実現するために、子どもが様々な環境に関わって経験し、展開する具体的な活動を「内容(子どもの姿)」として設定しています。
② こども園での連携
子どもの発達の特性(体・心の育ち)などを踏まえ、「ねらい」や「子どもの姿(内容)」を達成するためには、保育における適切な援助が欠かせません。このことから、配慮しなければならないことや指導など、日々の生活の中で保育士や調理員を含めた全職員が連携して対応していきます。
③ 家庭・地域への働きかけ(食育のための環境)
食育を取り組むにあたり、こども園と家庭や地域が一緒になって取り組むことも大切です。このため、家庭と子どもの育ちを共有することや、家庭での生活リズムや食事バランス、食べることの大切さなどの情報を積極的に提供していきます。
また、子どもが地域ならではの食材を食べて、見て、触れたりする機会を確保するなど、食材への関心や、いのちの大切さを養っていきます。さらには、食材に携わる人との交流やふれあいを大切にし、子どもの食を営む力の基礎を培うための経験ができるよう取り組んでいきます。
④ 特別な配慮を含めた一人一人の子どもへの対応
体調不良、食物アレルギーのある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、嘱託医、主治医等の指示や栄養士や保護者との協力の下に対応します。
全職員の協力の下、子どもの健康と安全に関する実施体制を確立するよう努めます。食育の取組を進めるためには、まず、子どもの姿(実態)に目を向け、食を通して子どもがどのように育っているのか、その理解を深めることが重要です。
全職員で、また、保護者や地域の人々の協力のもと、積極的に様々な食育の取り組みを進めていくこととします。このような取り組みが、保育の質の向上へ、また、子どもの食を営む力の基礎を培うことが、家庭の養育力や地域力の向上にもつながるものと信じています。
入園する子どもの保護者に対する支援、また、地域の子育て家庭への支援については、職員間の連携を図りながら積極的に取り組んでいきます。
保育者等の専門性やこども園の特性をいかして、子どもの最善の利益を考慮しつつ、保育士等と保護者が子どもの成長のよろこびを共感できるように支援を行っていきます。なお、支援にあたっては、保護者や子どものプライバシーの保護を徹底します。
こども園に在園する子どもの保護者との日々のコミュニケーションを大切にしながら、様々な機会を通して相談や助言など、その支援に当たります。
こども園が地域の子育て拠点となるよう、園の機能を地域に開放し、子育て等に関する相談や援助ができる機会を確保するとともに、子育て家庭の交流の場の提供及び交流の促進に努めます。
こども園は、質の高い保育を展開するため、一人一人の職員についての資質向上及び職員全体の専門性の向上を図ります。
子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うため、職員一人一人の倫理観、人間性並びにこども園職員としての職務及び責任の理解と自覚を持ちます。
職員は、自己評価に基づく課題等を踏まえ、こども園内外の研修等を通じて、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めます。